魚三楼について
大量の物と人が交流した、京都・伏見
京都盆地の中で土地が低く、木津川、桂川、宇治川の水系が集まる京都・伏見。桃山時代には、その豊かな水に目をつけた豊臣秀吉が伏見城と城下町をつくり、さらに大阪へと通じる川に伏見港が築かれ、たいへん賑わいました。
その伏見にて創業したのは、江戸時代中期の明和元年(1764)。讃岐出身の初代・三郎兵衛が、伏見港にあがる瀬戸内の魚と豊かな湧水を使った高級魚専門の料理屋を構え、大名屋敷の料理方も務めました。
料理の要は、瀬戸内の鮮魚と軟水の出汁
創業から250年以上経ってもなお、初代がふるまった瀬戸内の魚は魚三楼の京料理に不可欠な存在です。おめでたい席にふるまう鯛、骨切りした美しい身を味わう鱧など、瀬戸内から届いた新鮮な魚を使い、お客さまの心を満たす京料理を提供して参りました。
また敷地内に湧き出る井戸の軟水も、おいしい出汁に欠かせない厳選素材と言えます。伏見の名酒を生み出す良質の水があってこそ、魚三楼でしか味わえない京料理が完成するのです。
花を咲かさず、地道に年輪を重ねていく
魚三楼当主の胸にはいつも、「花を咲かすな」という家訓が刻まれています。咲き誇る花は美しく、人々の目を惹きつけますが、それはほんの一瞬のこと。一度咲いてしまえばあとは朽ちるだけです。刹那的な事象に心を奪われることなく、お客さまのために今できることを考え、変化していく。そんな日々の積み重ねが、250年以上の太い年輪を形づくったのだと考えております。
おうちでおいしく召し上がっていただけるよう、工夫を凝らした料亭の京料理、どうぞお楽しみください。
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